第7章・高配当株 全20本中の11本目

配当にかかる税金は約20%。NISAなら0円、確定申告で取り戻せる人もいる

高配当株を始めると、配当が入ったときに「思ったより少ない」と感じるかもしれません。ふつうの口座では、配当から約20%⁠の税金⁠が先に引かれているからです。

この記事では、配当にかかる税金のしくみと、負担を減らせる3つの方法⁠をまとめます。

この記事でわかること 配当の税金のしくみ/NISAで0円にするときの注意/確定申告で得する人・損する人/米国株の場合

1. 配当からは、約20%⁠が先に引かれる

ふつうの口座(特定口座)で日本の株の配当を受け取ると、20.315%⁠が引かれます。

税金 割合
所得税(復興特別所得税をふくむ) 15.315%
住民税 5%
合計 20.315%

1万円の配当なら、手元に入るのは約7,970円⁠です。何もしなければ、これで税金の手続きは終わりです(申告不要)。

2. 方法①:NISAで持つと、配当の税金は0円

NISAの口座で持っている株の配当には、税金がかかりません⁠。1万円の配当なら、1万円がそのまま入ります。

ただし、ひとつ大事な注意があります。

NISAの配当は、受け取り方を「株式数比例配分方式」にしておかないと、税金が引かれてしまう。

配当の受け取り方には、郵便局で受け取るものや、銀行に振り込んでもらうやり方もあります。これらを選んでいると、NISAで持っていても20.315%⁠が引かれます⁠。証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」になっているか、一度確かめておきましょう。

わたしは、高配当株の8割以上⁠(買った金額で)をNISAで持っています(⁠「新NISAの使い方」⁠)。配当を受け取り続ける株ほど、NISAで持つ意味が大きいと考えています。

3. 方法②:確定申告で「総合課税」を選ぶ

ふつうの口座の配当は、確定申告をすると、給料などと合わせて税金を計算しなおす⁠こと(総合課税)ができます。このとき配当控除⁠が使えるので、所得が多くない人は、税金が戻ってくることがあります。

課税所得(給料などから控除を引いたあと) 総合課税にしたときの、配当の税金の目安 引かれている税金
330万円以下 約7%以下 20.315%
330万〜695万円 約17% 20.315%
695万〜900万円 約20.5%(かえって増える) 20.315%

課税所得が695万円以下⁠なら、総合課税にすると税金が減る計算です。

ただし、気をつけたいこと

総合課税にすると、配当が住民税の計算の所得⁠にも入ります。2024年度の住民税から、所得税と別々のやり方を選ぶことはできなくなりました。そのため、

  • 国民健康保険料・介護保険料が上がることがある
  • 家族の扶養に入れるかどうかの判定に影響することがある
  • 保育料⁠など、住民税をもとに決まるお金が上がることがある

税金が少し戻っても、ほかのお金が増えて損をすることがあります。総合課税にするかは、全部を合わせて計算してから決めるのがおすすめです。

4. 方法③:売って損をした年は「申告分離課税」

株を売って損が出た年は、確定申告で配当と損を相殺⁠(損益通算)できます。たとえば、配当が5万円、売った損が5万円なら、引かれていた税金が戻ってきます。

損は、確定申告を続けていれば、3年先まで繰り越せます⁠。

5. 米国株の配当は、2回引かれる

米国の株やETFの配当は、

  1. まずアメリカで10%引かれる
  2. 残りから、日本で20.315%引かれる

と、2回税金がかかります。ふつうの口座なら、確定申告をすると、アメリカで引かれた分の一部を取り戻せます(外国税額控除)。

いっぽう、NISAで持っている米国株は、日本の税金は0円ですが、アメリカの10%⁠は取り戻せません⁠。日本の税金がないので、差し引く先がないからです(⁠「米国の高配当ETF(SPYD・HDV・VYM・SCHD)のちがい」⁠)。

6. どれを選べばいい?

こんな人 おすすめ
これから高配当株を買う人 まずNISAで持つ。受け取り方は株式数比例配分方式に
ふつうの口座にも配当がある人で、課税所得が330万円以下 総合課税を検討。保育料や保険料への影響も計算する
株を売って損が出た年 申告分離課税で、配当と相殺する
迷う・手間をかけたくない 何もしない(申告不要)でも問題なし

まとめ

  • ふつうの口座の配当からは、20.315%⁠が先に引かれる
  • NISAなら0円。ただし受け取り方は「株式数比例配分方式」に
  • 課税所得が低い人は、総合課税で税金が戻ることがある。でも保険料や保育料への影響に注意
  • 米国株の配当は、アメリカで10%引かれる。NISAではこの分は取り戻せない

この記事は一般的なしくみの説明です。税金の扱いは、所得や家族の状況、制度の改正で変わります。くわしくは国税庁のホームページや、お住まいの自治体・税務署でご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内で共働き・子ども1人と犬1匹の会社員。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール