第7章・高配当株 全20本中の20本目

IDOMが下方修正と減配で急落。手厚い優待で利回り8%の株に、前から見えていたサインと、わたしが買わなかった理由

中古車の「ガリバー」⁠で知られるIDOM⁠(7599)⁠が、2026年10月14日に業績の下方修正と減配⁠を発表しました。次の日、株価は一時、前の日より2割以上安くなりました。

IDOMは、2026年に手厚い株主優待を始めたばかりで、配当と優待を合わせた利回りの高さで注目されていた会社です。わたしは持っていません。でも、高配当株を買う人には大事な話なので、何が起きたのかと、前から見えていたサインを整理します。

この記事でわかること 何が発表されたのか/なぜ減配になったのか/前から見えていたサイン/わたしの選び方では候補に入らなかった理由

1. 何が発表されたのか

発表前の予想 発表後の予想
売上高 6,290億円 6,550億円(上方修正)
営業利益 240億円 185億円(下方修正)
純利益 142億円 105億円
1年の配当 42.43円 31.38円(減配)

売上は予想より増える⁠のに、利益は予想より大きく減る⁠、という発表でした。株価は、発表前の1,166円から、次の日に一時886円まで下がっています。

2. なぜ、売上は増えるのに減配なのか

理由は2つです。

  • お店をふやす費用がかさむ:大型のお店を、予定より多く出します。そのための準備や設備、人件費、広告のお金が先に出ていくので、利益が減ります。上期(3〜8月)⁠の時点で、利益はすでに計画を下回っていました
  • 配当が「利益の30%」⁠と決まっている:IDOMは、その年の利益の30%⁠を配当にする方針です。利益が減れば、配当も同じように減る⁠しくみです

純利益の予想は約26%減り、配当も約26%減りました。配当の減り方は、方針どおりなのです。

「利益の◯%⁠を配当に」⁠という会社は、利益が減れば配当も減る。減配は、ルールどおりに起きる。

3. 前から見えていたサイン

業績が「いつ・どれだけ」下がるかを当てるのは、プロでも難しいです。でも、減配しうる形の会社かどうか⁠は、前から数字で見えていました。

  • 配当の方針が「利益の30%」:利益しだいで配当が上下します(⁠「高配当株を選ぶとき、わたしがいちばん先に見るのは「減配しないか」」⁠)
  • 過去にも減配している:1株の配当は、2023年の40.71円から、2024年39.16円、2025年36.23円と減っていました
  • 利益の率が低い:売上に対する営業利益は3%台。売上が大きくても、費用が少しふえるだけで利益が大きく動きます
  • 財務の余裕が大きくない:自己資本比率は33%⁠で、わたしの目安(40%以上)⁠に届きません

4. 優待が手厚すぎる株は、利回りの「理由」⁠を確かめる

IDOMは、2026年1月に株主優待を始めました。100株で、1年に5,000円相当のデジタルギフトがもらえる内容です。

発表前の株価(1,150円前後)⁠で計算すると、

100株(約11.5万円)あたり 利回り
配当(42.43円×100株) 約4,200円 約3.7%
優待 5,000円相当 約4.3%
合わせて 約9,200円 約8%

合わせると、利回り8%前後⁠でした。利回りがこれだけ高いときは、「なぜこんなに高いのか」⁠を確かめるのが大事です。わたしも、利回りの高さにつられて買い、減配で失敗したことがあります(⁠「高配当株でわたしがした失敗」⁠)。

優待は、会社が自分のお金で用意しているものです。業績や方針が変わると、優待を見直す会社もあります(2026年にも、優待をやめる会社がいくつも出ています)。優待の手厚さは、ずっと続く約束ではありません⁠。

5. わたしの選び方では、候補に入らなかった

わたしは、自作のアプリで、気になる会社の数字を点検しています。IDOMも点検の対象に入っていましたが、発表の少し前(10月9日)⁠の結果は「要確認」⁠でした。

見ているところ IDOM わたしの目安
売上が増えているか ◎ 4期のうち3期で増収 増えている
1株あたりの利益 × 3期のうち1期しか増えていない 増えている
営業利益率 × 3.6%(下がりぎみ) 5%未満は候補から外す
自己資本比率 × 33% 40%以上
営業でかせいだお金(営業CF) × 赤字の年がある 毎年黒字
配当 △ 減配したことがある 減配していない

売上は伸びていても、利益・財務・配当の安定⁠の項目で×が多く、わたしの基準では買う候補に入らない会社でした。わたしがいちばん先に見るのは「減配しないか」⁠です(⁠「高配当株を選ぶとき、わたしがいちばん先に見るのは「減配しないか」」⁠)。利回りや優待の手厚さは、そのあとに見ています。

6. 個別株で気をつけたいこと

  • 配当の方針を読む:「累進配当(減らさない)」⁠なのか、「利益の◯%」⁠なのかで、減配のしやすさがちがいます
  • 利回りが高すぎたら、理由を探す:配当と優待を合わせて高すぎるときは、その裏の業績を見ます
  • 1つの会社に寄せすぎない:1社が減配しても、全体の配当が大きく崩れないようにしておきます(⁠「1つの会社・1つの業種に寄せすぎない」⁠)

まとめ

  • IDOMは、売上は上方修正したが、出店の費用で利益が減り、配当も42.43円→31.38円に減額。株価は一時2割以上下がった
  • 配当が「利益の30%」⁠の方針なので、利益が減れば配当も同じように減る
  • 配当の方針・過去の減配・低い利益率・財務の余裕など、減配しうる形は前から数字に出ていた
  • 配当と優待で利回り8%前後。高すぎる利回りには理由がある
  • わたしのアプリの点検では「要確認」⁠で、買う候補に入らない会社だった

この記事は2026年10月15日時点の会社の発表と、わたしの考えです。特定の銘柄の売り買いをすすめるものではありません。くわしくは会社の決算資料でご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内に住む共働きの会社員。家族は妻と子ども1人、それに犬が1匹。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール