第6章・投資の基本 全14本中の11本目

金利が上がると、家計のどこに効く? 住宅ローン・預金・株・債券を、2026年秋の数字で整理

2026年は、「金利が上がった」⁠というニュースが続いています。でも、金利が上がると自分の家計のどこに、どう効いてくるのかは、分かりにくいと思います。

この記事では、いまの金利を数字で確かめてから、住宅ローン・預金・株・債券など、家計のどこに影響が出るのか⁠を順番に整理します。わたしが持っている株で、金利が上がったときにどう動いてきたかを測った結果も紹介します。

この記事でわかること 2026年秋の金利の数字/住宅ローン・預金・株・債券・為替への効き方/わたしの株で実際に測った結果

1. いま、金利はどれくらい上がっているか

項目 いまの数字 ひとこと
日銀の政策金利 1.25%程度 2025年12月に0.75%、2026年6月に1.0%、9月に1.25%
長期金利(10年国債) 3%台 10月の入札で表面利率3.1%。約30年ぶりの高さ
フラット35⁠(10月の最低金利) 3.83% 今のしくみになった2017年10月以降で最高
メガバンクの普通預金 0.4%(11月2日から0.5%) 数年前までは0.001%

金利には、大きく分けて2つあります。

  • 短い期間の金利:日銀が決める政策金利が中心です。変動金利の住宅ローンや、普通預金の金利につながります
  • 長い期間の金利:10年国債などの利回りで、市場で決まります。固定金利の住宅ローンにつながります

2026年は、この両方が上がっています⁠。

2. 家計への効き方を一覧にする

どこに 金利が上がると ひとこと
変動金利の住宅ローン 利息がふえる 5年ルールがあれば、返済額が変わるのは5年ごと
固定金利の住宅ローン 借りている人は変わらない これから借りる人は、高い金利で借りることになる
預金 利息がふえる ただし金額は小さい
債券 持っている債券の値段が下がる これから買う債券の利回りは上がる
株 業種によって分かれる 保険・銀行などは追い風、REITなどは向かい風と言われる
車のローンなど これから借りる金利が上がる 変動金利のものは、返している途中でも上がる
為替 円高の材料になると言われる ただしアメリカの金利も上がっていて、単純ではない

ここから、家計に大きく関わるものを1つずつ見ていきます。

3. 住宅ローン⁠:変動と固定で、効き方がちがう

国土交通省の調査では、新しく借りた住宅ローンのうち83.5%⁠が変動金利⁠でした。金利が上がったときにいちばん影響を受けるのは、変動金利で借りている人です。

変動金利の金利は、ふつう半年ごとに見直されます。ただ、多くの銀行には5年ルール⁠があり、毎月の返済額は5年ごとにしか変わりません。返済額が変わらないあいだも、中身の利息の割合は増えていきます⁠(⁠「変動金利の「5年ルール」⁠と「125%ルール」」⁠)。

わが家も変動金利です。自作のライフプラン表に、金利が上がったときの返済額や、5年ルールで毎月の支払いが変わる時期を入れて計算しています(⁠「95歳までのライフプラン表を作ったら、老後に使えるお金が「月37万円」⁠と分かった」⁠)。

これから借りる人は、金利が上がっても返せる額にしておくことが、これまで以上に大事になります。借りる額の決め方は「住宅ローンは年収の何倍まで?」⁠にまとめました。

4. 預金⁠:利息はふえるが、主役にはならない

普通預金の金利は、数年前の0.001%⁠から、11月には0.5%⁠になります。100万円を1年預けると、利息は5,000円。税金(20.315%)⁠を引くと約4,000円⁠です。

100万円を1年預けたとき 利息(税引き後)
金利0.001% 約8円
金利0.5% 約4,000円

ふえたのは確かです。生活防衛資金のように、すぐ使えるように置いておくお金⁠には少しありがたい変化です(⁠「生活防衛資金は「何か月暮らせるか」⁠で決める」⁠)。

ただ、長い目でお金を増やす手段として見ると、金額はまだ小さいままです。

5. 株⁠:上がりやすい株と、下がりやすい株がある

金利が上がると、株は業種によって反応が分かれる、とよく言われます。

  • 追い風と言われる:お金を貸す・運用する側の会社(銀行、保険、リースなど)。貸すときの金利を上げられるため
  • 向かい風と言われる:借金を多くして事業をしている会社(不動産、REITなど)。払う利息がふえるため
  • 高配当株全体:金利が上がると、「配当」⁠と「国債の利回り」⁠が比べられやすくなり、株価の重しになることがある

ここからは、わたしの株で実際に測った結果です。自作のアプリで、2021年9月〜2026年9月の5年分の毎日の株価⁠を使い、市場全体の動きを取り除いたうえで、金利が上がった日に各銘柄がどう動いたかを調べました。

金利が上がったときの動き 持っている株の金額に占める割合
上がりやすかった 約28%
下がりやすかった 約4%(REITの2銘柄だけ)
はっきりした関係はなかった 約68%

上がりやすかったのは、東京海上HD・MS&AD⁠(保険)、ジャックス・三菱HCキャピタル⁠(信販・リース)⁠などです。言われているとおりの結果でした。

いっぽうで、金利が上がると不利と言われがちな大和ハウス工業やヒューリックは、この5年では、どちらとも言えない結果⁠でした。「よく言われること」⁠と、実際の株価の動きは、必ずしも同じではありません。

この5年は「金利が上がる=景気がよい」⁠という時期でした。景気を冷やすための利上げに変われば、反応が変わる可能性があります。過去の傾向で、これからを約束するものではありません。

6. 債券⁠:持っている債券は値下がりする

金利が上がると、すでに発行された債券の値段は下がります⁠。あとから出るもののほうが利回りが高くなるので、古い債券の人気が落ちるためです。

いっぽうで、これから債券を買う人にとっては、利回りが高いときに買える⁠ことになります。わたしは株中心で、債券は持っていません(⁠「債券・REIT・金は必要?」⁠)。

7. 金利が上がる時期に、わたしが決めていること

まとめ

  • 2026年は、政策金利(1.25%)⁠と長期金利(3%台)⁠の両方が上がっている
  • 変動金利の住宅ローンは利息がふえる。返済額が変わる時期を確かめておく
  • 預金の利息はふえたが、金額はまだ小さい
  • 株は業種で反応が分かれる。わたしの株では、保険・信販・リースは金利が上がると上がりやすかった

この記事は一般的なしくみの説明と、わたしの記録です。特定の銘柄や金融商品をすすめるものではありません。金利や制度は変わることがあります。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内に住む共働きの会社員。家族は妻と子ども1人、それに犬が1匹。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール