第3章・保険と備え

相続の基本。亡くなると銀行口座は止まる。家族が困らないためにやっておくこと

家族が亡くなると、悲しみの中でたくさんの手続きをしなければなりません。とくに困りやすいのが、銀行口座が止まってお金が引き出せなくなる⁠ことです。

この記事では、相続の基本と、家族が困らないように元気なうちにやっておけることを書きます。

この記事でわかること 口座が止まるしくみ/期限のある手続き/相続税がかかるかどうか/今のうちにやっておくこと

1. 亡くなったことが伝わると、口座は止まる

銀行は、持ち主が亡くなったことを知ると、その口座を止めます(⁠凍結⁠)。家族でも、勝手にお金を引き出せなくなります。

ただ、葬儀の費用などで困らないように、遺産の分け方が決まる前でも、預貯金の一部を引き出せる制度があります。1つの銀行につき、最大で150万円までです。

2. 期限のある手続き

期限 手続き
3か月以内 借金のほうが多いなら、相続を放棄するかどうかを決める
4か月以内 亡くなった人の、その年の所得税の申告(準確定申告)
10か月以内 相続税の申告と納付(かかる場合)
3年以内 家や土地の名義を変える(相続登記。2024年4月から義務)

3. 相続税がかかる人は、多くない

相続税には、基礎控除⁠があります。

3,000万円 + 600万円 × 相続する人の数

たとえば、相続する人が3人なら4,800万円までは、相続税がかかりません。財産がこれより少なければ、申告もいりません。

ただし、家や土地、株、生命保険なども財産に入るので、思ったより多くなることもあります。

相続でいちばん困るのは、税金より「どこに何があるか分からない」こと。

4. 元気なうちにやっておくこと

  • お金の一覧を作る:銀行・証券会社・保険・ローン・クレジットカードなどを、1枚にまとめておく
  • ネットの口座も書いておく:ネットの銀行や証券会社は、郵便が届かないので家族が気づきにくい
  • 大事な書類の置き場所を家族に伝える:通帳・保険証券・家の権利証など
  • 生命保険の受取人を確かめる:保険金は、受取人がすぐに受け取れます

わたしも、ネット証券に株や投資信託を持っているので、自作のアプリでどこに何があるか⁠をまとめています。家族がパスワードを知らなくても、どこの会社に口座があるかさえ分かれば、手続きはできます。

5. 株や投資信託はどうなる?

株や投資信託も、相続の財産になります。家族が相続の手続きをして、自分の口座に移します。NISAで持っていたものも、相続した人のふつうの口座(特定口座など)に移ります。

まとめ

  • 亡くなったことが伝わると、銀行口座は止まる。1つの銀行につき150万円までは、先に引き出せる制度がある
  • 相続の放棄は3か月、相続税の申告は10か月、相続登記は3年以内
  • 相続税は「3,000万円+600万円×相続する人の数」まではかからない
  • 元気なうちに、お金の一覧と書類の置き場所を家族に伝えておく

この記事は一般的なしくみの説明です。くわしくは国税庁・法務局・金融機関、または専門家にご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内で共働き・子ども1人と犬1匹の会社員。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール