第3章・保険と備え 全10本中の14本目

フィッシング詐欺の対策は「メールをGmailにまとめる」から。見分けるより、届かせない・開かない

この記事の目次

「カードの利用を停止しました」「お荷物をお届けできませんでした」。こうしたメールやSMSで偽のサイトに誘い、パスワードやカード番号を入力させる手口をフィッシング詐欺⁠といいます。

いまは、見た目では本物と区別できない偽物⁠が増えています。だから大事なのは、見分ける力をつけることより、そもそも届かせない・届いても開かない⁠しくみを作ることです。いちばん手軽で効くのが、お金に関わるメールをGmailにまとめる⁠ことです。わたしもふだんのメールはGmailを使っています。

この記事でわかること 見分けるのが難しくなった理由/Gmailにまとめると何が変わるか/移し方の手順/リンクを開かないルールと例外/入力してしまったときにすること

1. もう「見て分かる」偽物ではない

少し前までの詐欺メールは、日本語がどこか不自然で、偽のサイトのアドレスも「amazom」⁠のように1文字ちがう、というものが多くありました。いまは、それでは見抜けません。

  • 文章はAIが書く:自然な日本語で、ていねいな敬語。「怪しい日本語」⁠で気づくことができなくなりました
  • アドレスまでそっくり:たとえばロシア語などで使う「а」⁠は、英語の「a」⁠と見た目がほぼ同じなのに、コンピューターの中では別の文字です。こうした文字を混ぜると、本物と同じに見えるアドレス⁠が作れてしまいます
  • 慌てている時をねらう:仕事中や、子どもを病院に連れていく途中など、ゆっくり確かめられないときに「今日中に手続きしないと止まります」⁠と迫ってきます

ふだんなら引っかからない人でも、こうした条件が重なると入力してしまいます。だから「自分は気をつけているから大丈夫」⁠ではなく、判断しなくてすむ形⁠にしておくのが安全です。

見分ける力より、門の手前で止めてくれる番人を置くほうが確実。

2. Gmailにまとめると、何が変わるか

メールのサービスによって、迷惑メールや詐欺メールを止める力⁠には大きな差があります。Googleは、Gmailが迷惑メール・フィッシング・ウイルス付きのメールの99.9%以上をブロックしている⁠と説明しています。

Gmail ほかのメール(プロバイダのメールなど)
詐欺メールが届く数 とても少ない 多いことがある
届いたときの表示 迷惑メールに入る・警告が出る 受信箱に並ぶことがある
料金 無料 無料〜有料

もちろん、Gmailでもすり抜けてくるメールは0ではありません⁠。それでも、詐欺メールが目に入る回数そのものが減れば、うっかり開いてしまう機会も減ります。門の手前で大半を止めてもらい、残りは「リンクを開かない」⁠で防ぐ⁠、という二段構えです。

3. 移し方の手順⁠:全部ではなく、大事なものだけ

全部のサービスの登録を変えようとすると大変で、途中で止まってしまいます。お金に関わるものだけ⁠で十分です。

  1. 新しいGmailのアドレスを作る⁠(2段階認証を必ずオンにする)
  2. 大事なサービスだけ、登録のメールアドレスを変える:銀行・証券会社・クレジットカード・よく使う通販・スマホの会社・家計簿アプリなど。10か所ほどです
  3. 古いアドレスは、すぐには消さない:変え忘れたサービスからの連絡に気づけるよう、1年ほど残しておきます
  4. 古いアドレスは、ふだんのスマホで受け取らない設定にする:せっかく分けても、同じメールアプリで見ていたら意味がありません。ときどきパソコンなどで見るだけにします
  5. 古いアドレスからGmailへ転送しない:転送すると、そちらに届く詐欺メールまで運び込むことになります

💡 Gmailは1つで十分です。仕事とプライベートを分けたい人でも2つまで。パスワードを忘れたときの予備のメールアドレスもGmail⁠にしておくと、ほかのメールサービスを手放せます。

4. 「メールのリンクは開かない」⁠とその例外

いちばん確実な対策は、メールやSMSのリンクから、ログインしない⁠ことです。

  • 銀行・証券・カードは、公式アプリかブックマーク⁠から開く
  • 「支払いに問題があります」⁠などの知らせは、リンクは押さずに、自分でアプリを開いて⁠お知らせ欄を確かめる
  • パスワード管理アプリに登録したアドレスから開けば、偽のサイトに行かずにすみます(⁠「お金を守るいちばんの近道は、パスワード管理アプリ」⁠)

例外⁠は、自分がいまちょうど登録や手続きをしていて、その確認のメールが届いた⁠ときだけです。何もしていないのに向こうから届いたメールのリンクは、開きません。

SMSも同じです。ログインのときに届く6けたの確認コード⁠(リンクではない数字)⁠は問題ありませんが、いきなり届くリンク付きのSMS⁠は無視します。

💡 AIにメールの仕分けや要約を任せるのは便利です。ただし、リンクを開く・返信する・お金を払う・パスワードを入れる、の手前だけは自分の目で確かめます。

5. 2段階認証も「その場で」破られることがある

2段階認証をしていても安心しきれない手口があります。リアルタイムフィッシング⁠です。

  1. 偽のサイトに、IDとパスワードを入れてしまう
  2. 犯人がすぐに、同じIDとパスワードで本物のサイトにログインする
  3. 本物のサイトから、あなたのスマホに確認コードが届く
  4. 偽のサイトに「コードを入力してください」⁠と出て、入れてしまう → 犯人が本物に入れて乗っ取る

本人は、ふつうにログインしているつもりで、2枚の扉を自分で開けてしまいます。これを防ぐのがパスキー⁠です。パスキーは、そのサイト専用の鍵で、偽のサイトでは使われません⁠。銀行・証券・Google・Appleのアカウントなど、乗っ取られたら困るところからパスキーに切り替えておくと安心です。

6. 入力してしまったら、すぐにすること

入れてしまったもの すぐにすること
ID・パスワード 本物のサイト(アプリ)⁠からパスワードを変える。同じパスワードを使っているサービスも変える
クレジットカード番号 カード会社に連絡して止める。入力から数分で使われることもある
銀行・証券のパスワード 金融機関の窓口に電話して、取引を止めてもらう

「メールアドレスがもれた」⁠だけなら、アドレスを作り直す必要はありません。メールアドレスは人に教えて使うものだからです。困るのは、IDとパスワードがセットでもれたとき⁠です。

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まとめ

  • いまの詐欺メールは、文章もアドレスも本物そっくり。見分けるより、届かせない・開かない⁠しくみを作る
  • お金に関わるサービスの登録をGmailにまとめる⁠。全部ではなく、銀行・証券・カード・通販など10か所ほどでよい
  • 古いアドレスは1年ほど残すが、ふだんは受け取らない・転送しない
  • メールやSMSのリンクからログインしない⁠。例外は、自分がいま手続きしている確認のメールだけ
  • 乗っ取られたら困るアカウントからパスキー⁠に。入力してしまったら、すぐパスワード変更とカード会社・金融機関に連絡

この記事はわたしの考えと、2026年10月時点で確かめた情報です。手口は日々変わるので、金融機関や警察、フィッシング対策協議会の最新の注意喚起もあわせてご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内に住む共働きの会社員。家族は妻と子ども1人、それに犬が1匹。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール