第3章・保険と備え

医療保険に入らない理由。ひと月の医療費には「上限」がある

「入院したら大変だから、医療保険には入っておいたほうがいい」。よく聞く話です。わたしも以前は医療保険に月5,000円ほど払っていましたが、5年ほど前にやめました(⁠「貯蓄型の保険に10年払った結果」⁠)。

やめた理由は、日本の公的な健康保険が、思っていたよりずっと手厚い⁠と知ったからです。

この記事でわかること 高額療養費のしくみ/働けないときの手当/それでも医療保険がいる人

1. ひと月の医療費には「上限」がある

病院の窓口で払うのは、ふつう医療費の3割です。さらに、ひと月の自己負担には上限⁠があります。これを高額療養費⁠といいます。

年収が約370〜770万円の人なら、2026年8月からの上限はおよそ次のとおりです。

ひと月の自己負担の上限
医療費が100万円かかった月 約9万円
1年に4回目からの月 44,400円
1年間の合計 53万円まで(2026年8月から新しくできた上限)

100万円の治療を受けても、窓口で払うのは9万円ほどです。入院が何か月も続いても、4か月目からはさらに安くなります。

※ 食事代や差額ベッド代(個室代)などは、この上限の外です。

2. 働けないときは「傷病手当金」

会社員や公務員なら、病気やけがで仕事を休んだとき、健康保険から傷病手当金⁠が出ます。

  • 給料のおよそ3分の2
  • 最長で1年6か月

入院中の収入が、すべてなくなるわけではありません。

医療保険を考える前に、まず「公的な保険で、どこまで守られているか」を知る。

3. 保険料を貯金したほうがいいと考えた

月5,000円の医療保険を30年払うと、180万円です。これだけあれば、高額療養費の上限で何回も入院できます。

保険会社は、集めた保険料から会社の経費や利益を引いて、残りを保険金として払います。平均すると、払った保険料より受け取る保険金のほうが少なくなる⁠しくみです。だからわたしは、

  • 貯金で払える出費には、保険を使わない
  • 貯金では払えない大きな出費(火事・事故の賠償・一家の働き手が亡くなる)にだけ、保険を使う

と決めています(⁠「わが家が入っている保険は3つだけ」⁠)。病気やけがの出費は、生活防衛資金で備えています(⁠「生活防衛資金は「何か月暮らせるか」で決める」⁠)。

4. それでも医療保険を考えてもいい人

  • 貯金がまだ少ない人:数十万円の出費で生活が苦しくなるなら、お金がたまるまでの間だけ考える
  • 自営業・フリーランスの人:国民健康保険には、ふつう傷病手当金がありません
  • 先進医療など、公的な保険がきかない治療を受けたい人

自分が、公的な保険と貯金でどこまで備えられているかを確かめてから決めるのが大事です。

まとめ

  • ひと月の医療費には上限がある。年収370〜770万円なら、100万円かかっても約9万円
  • 会社員・公務員は、働けないときに給料の約3分の2の傷病手当金が出る
  • わたしは医療保険をやめ、その分を貯金と投資に回している
  • 貯金が少ない人、自営業の人などは、状況に合わせて考える

この記事はわたしの考え方です。高額療養費の上限は年収や年齢で変わり、制度も見直されることがあります。くわしくは加入している健康保険にご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内で共働き・子ども1人と犬1匹の会社員。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール