第3章・保険と備え

病気やけがで働けなくなったら。傷病手当金・障害年金・保険の順で考える

死亡に備える保険はよく話題になりますが、じつは病気やけがで長く働けなくなる⁠ほうが、家計への影響は大きいこともあります。収入が止まるのに、生活費はかかり続けるからです。

でも、慌てて保険に入る前に、公的な支え⁠を知っておくと、必要な備えが見えてきます。

この記事でわかること 働けないときに出るお金/いつまで・いくら出るか/保険が必要な人

1. まずは「傷病手当金」

会社員や公務員が、病気やけがで仕事を休んだときは、健康保険から傷病手当金⁠が出ます。

  • 給料のおよそ3分の2
  • 通算で最長1年6か月

自営業の人が入る国民健康保険には、ふつうこの手当がありません。

2. 仕事中・通勤中なら「労災保険」

仕事中や通勤中のけが・病気なら、労災保険⁠から休んだ間の補償や治療費が出ます。傷病手当金より手厚いことが多いです。

3. 長く続くなら「障害年金」

病気やけがで障害が残ったときは、障害年金⁠が出ることがあります。

1年の額(2026年度)
障害基礎年金 1級 約106万円
障害基礎年金 2級 約85万円(+子どもの加算)
障害厚生年金 会社員・公務員だった人に上乗せ(3級まである)

障害年金は、がんやうつ病などの病気でも対象になることがあります。「障害」という言葉から、対象外だと思いこまないことが大事です。

働けなくなったときの公的な支えは、意外と厚い。まず「何が出るか」を知る。

4. 医療費は「高額療養費」で上限がある

治療費が高くなっても、ひと月の自己負担には上限があります(⁠「医療保険に入らない理由」⁠)。働けない期間の出費が、どこまでも大きくなるわけではありません。

5. 保険を考えるのは、そのあと

公的な支えと貯金で足りない分だけを、保険で補います。

  • 自営業・フリーランスの人:傷病手当金がないので、就業不能保険などを考える価値があります
  • 貯金が少ない人:手当が出るまでの間をしのぐお金がない場合
  • 住宅ローンがある人:団信に、病気で働けなくなったときの保障を付けられる場合があります

わたしは、会社員としての傷病手当金と、生活防衛資金(生活費の6か月分)で備えています(⁠「生活防衛資金は「何か月暮らせるか」で決める」⁠)。

まとめ

  • 会社員・公務員は、傷病手当金で給料の約3分の2が最長1年6か月出る
  • 仕事中・通勤中なら労災保険。長く続くなら障害年金
  • 医療費は高額療養費で上限がある
  • 保険は、公的な支えと貯金で足りない分だけ。自営業の人はとくに考える

この記事は一般的なしくみの説明です。くわしくは加入している健康保険や年金事務所でご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内で共働き・子ども1人と犬1匹の会社員。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール