第8章・ライフプランと老後

退職金と年金は「やめる年」で変わる。受け取り方で税金もちがう

老後のお金の柱は、公的年金・退職金・自分の資産の3つです。このうち退職金と年金は、何歳まで働くかで大きく変わります⁠。わが家のライフプラン表でも、やめる年を変えると、退職金と年金の両方が動くようにしています(⁠「95歳までのライフプラン表を作ったら、老後に使えるお金が「月37万円」と分かった」⁠)。

この記事でわかること やめる年で何が変わるか/退職金の税金のしくみ/一時金か年金か

1. やめる年で変わること

長く働くと 理由
退職金が増える 勤めた年数で決まる会社が多い
厚生年金が増える 厚生年金に入っている期間が長くなる
退職金の税金が減る 勤めた年数が長いほど、税金がかからない枠が広がる
取り崩す期間が短くなる 老後の生活費を、資産から出す年数が減る

1年長く働くだけで、退職金・年金・取り崩しの期間の3つが同時に有利になります。

2. 退職金には、税金がかかりにくい

退職金には、退職所得控除⁠という、税金がかからない枠があります。

勤めた年数 税金がかからない枠
20年以下 40万円 × 年数(最低80万円)
20年をこえる 800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年)

たとえば30年勤めた人なら、1,500万円まで⁠は税金がかかりません。さらに、それをこえた分も、半分にしてから税金を計算します。給料に比べて、とても税金が軽いしくみです。

退職金は「長く勤めたごほうび」として、税金がとても軽い。

3. 一時金で受け取るか、年金で受け取るか

会社によっては、退職金をまとめて(一時金)受け取るか、年金のように分けて受け取るかを選べます。

  • 一時金:退職所得控除が使える。まとめて受け取るので、使い道を自分で決められる
  • 年金形式:毎年の収入になる。公的年金と合わせて税金や健康保険料が増えることがある

多くの場合、一時金のほうが税金は少なくなりやすい⁠と言われます。ただ、会社の制度や、ほかの収入によってちがうので、退職が近づいたら試算して決めるのがよさそうです。

4. iDeCoを使っている人は、受け取る順番に注意

iDeCoの一時金と会社の退職金の両方を受け取る人は、受け取る年をずらすと税金が少なくなる⁠ことがあります。この調整のルールは、2026年からさらに厳しくなりました。iDeCoを使う人は、受け取り方まで考えておくのがいいと思います(⁠「iDeCoってなに?」⁠)。

5. まずは「自分の退職金」を知る

  • 退職金の制度:就業規則や、会社の規程で確かめる
  • 年金の見込み額:ねんきんネットで、働く年数を変えて試算する(⁠「年金はいくらもらえる?」⁠)
  • ライフプランに入れる:やめる年を何通りか変えて、老後に使えるお金がどう変わるかを見る

まとめ

  • 長く働くと、退職金・厚生年金が増え、取り崩す期間も短くなる
  • 退職金は退職所得控除があり、税金がとても軽い。30年勤めれば1,500万円まで非課税
  • 一時金のほうが税金は少なくなりやすいが、制度や収入によるので試算して決める
  • 自分の退職金の制度と年金の見込み額を知り、やめる年を変えて試算する

この記事は一般的なしくみの説明です。くわしくは勤め先や国税庁、年金事務所でご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内で共働き・子ども1人と犬1匹の会社員。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール