第8章・ライフプランと老後

リースバック・リバースモーゲージは慎重に。老後の家のお金は「ふつうに売る」から考える

「家を売っても、そのまま住み続けられます」。テレビやチラシで、こんな広告を見たことがあるかもしれません。これがリースバック⁠です。

老後のお金が足りないとき、家を使ってお金を作る方法は、いくつかあります。ただ、リースバックやリバースモーゲージは、しくみをよく知らないと損をしやすい⁠ものです。

この記事でわかること リースバックとリバースモーゲージのしくみ/気をつけること/先に考えたい方法

1. リースバックとは

家を会社に売って、その家を借りて、家賃を払って住み続ける⁠しくみです。

  • 売ったお金が、まとまって入る
  • 引っ越さずに、同じ家に住める
  • 固定資産税などは、払わなくてよくなる

便利に見えますが、気をつけたいことがたくさんあります。

気をつけること なぜ
売る値段が安くなりやすい 買う会社が、あとで売る利益を見込んでいるため
家賃がかかり続ける 長く住むほど、払う家賃が増えていく
ずっと住めるとは限らない 「定期借家」の契約だと、期間が終わると出ていかなければならないことがある
買い戻すときは高い 買い戻せる契約でも、売った値段より高くなることが多い

国土交通省も、リースバックについて、契約の前に確かめることをまとめたガイドブックを出しています。

2. リバースモーゲージとは

家を担保にお金を借りて、亡くなったあとに家を売って返す⁠しくみです。生きている間は、利息だけを払うものが多いです。

  • 金利が上がる⁠と、毎月の利息が増える
  • 家の評価が下がる⁠と、借りられる額が減ったり、返すように言われたりする
  • 長生き⁠すると、借りられる額が足りなくなることがある
  • マンションは、使えないことも多い

3. 先に考えたいのは、「ふつうに売る」こと

家を使ってお金を作るなら、まずはふつうに売って、小さな家や賃貸に移る⁠ことを考えます。

ふつうに売るときのコツは、

  • 何社かに査定してもらう:1社だけだと、その値段が高いか安いか分からない(⁠「今の家がいくらで売れるか、ときどき調べる」⁠)
  • 1社にしぼる契約にしない:何社にも頼める「一般媒介」で、3社以上に頼む
  • あわてない:急いで売ろうとすると、安く買いたたかれる。1年くらいかけるつもりで
  • 高すぎる査定に飛びつかない:契約をとるために、わざと高い値段を出す会社もある

ことです。リースバックは「急いでいる人」向けのしくみです。急がなくていいように、早めに考えておく⁠のがいちばんの対策です。

家のお金は、あわてたときに使うと安くなる。早めに考えて、ふつうに売るのが基本。

4. 老後の住まいは、早めに計画に入れる

年をとると、介護が必要になって施設に移ることもあります。そのときに家をどうするかは、ライフプランの中で早めに考えておくと安心です(⁠「95歳までのライフプラン表を作ったら、老後に使えるお金が「月37万円」と分かった」⁠)。

  • 何歳ごろに、家をどうするか(住み続ける・売る・子どもにゆずる)
  • 売るなら、だいたいいくらになりそうか
  • 住宅ローンが、それまでに終わっているか

家の今の値段を、ときどき調べておく⁠と、いざというときにあわてずにすみます。

まとめ

  • リースバックは、家を売って借りて住むしくみ。売る値段が安く、ずっと住めるとは限らない
  • リバースモーゲージは、金利・家の値下がり・長生きに弱い
  • まずは、何社かに査定してもらい、あわてずにふつうに売ることを考える
  • 老後の家のことは、早めにライフプランに入れておく

この記事は一般的なしくみの説明と、わたしの考え方です。契約の内容は会社によってちがいます。くわしくは国土交通省のガイドブックや、契約する会社の説明でご確認ください。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内で共働き・子ども1人と犬1匹の会社員。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール