第1章・家計の土台 全12本中の8本目

電気・ガスの会社は「安さ」より「続くか」で選ぶ。新電力の撤退が相次いだ2022年と、わが家の選び方

電気やガスは、2016年から好きな会社を選べるようになりました。「乗り換えると安くなる」⁠という広告もよく見かけます。

でも2022年には、電気を売る会社の撤退や倒産が相次ぎました⁠。この記事では、そのとき何が起きたのかと、わが家がいまどう選んでいるかを書きます。

この記事でわかること 2022年に新電力で起きたこと/料金のしくみで変わる値上がり/会社が撤退したらどうなるか/わが家の選び方

1. 2022年、新電力の4社に1社が撤退・契約停止に

電気を売る会社は、昔からある地域の電力会社(東京電力など。旧電力⁠とも呼ばれます)⁠と、自由化のあとに参入した新電力⁠に分かれます。

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻したあと、燃料の値段が大きく上がり、電気の仕入れ値が急に高くなりました。多くの新電力は自分の発電所を持たず、市場から電気を仕入れて売っています。仕入れ値が上がっても、そのぶんを料金にすぐには上乗せできず、苦しくなりました。

時点 倒産・撤退・契約停止をした新電力
2022年3月末 31社
2023年3月 195社⁠(2021年4月に営業していた706社の約28%)

(帝国データバンクの調査)

1年ほどで、新電力のおよそ4社に1社⁠が、倒産したり、新しい契約を止めたり、撤退したりしたことになります。

2. 値上がりの大きさは「料金のしくみ」⁠で変わる

撤退しなかった会社でも、電気代は上がりました。どれくらい上がるかは、料金のしくみ⁠によってちがいます。

料金のしくみ 燃料や電気の値段が上がったとき
燃料費調整(上限あり)
東京電力の「従量電灯」⁠など
燃料の値段に合わせて上がるが、上がり方に上限⁠がある
燃料費調整(上限なし)
東京ガスの電気など
燃料の値段に合わせて、数か月おくれで上がる。上限はない
市場連動型 電気の取引市場の値段に合わせて、30分ごとに単価が変わる⁠。2022年はいちばん大きく上がった

2022年は、多くの新電力が「上限なし」⁠に変えたり、市場連動型に変えたりしました。わたしが使っていた楽天でんきも、2022年6月に上限をなくして値上げし、11月からは市場の値段に連動するしくみ⁠に変えています。わが家は、この2022年6月の値上げ⁠をきっかけに、楽天でんきをやめて別の会社に変えました。

「安い」⁠だけで選ぶと、値段が上がったときのしくみを見落とす。契約の前に、料金のしくみを確かめる。

3. 契約している会社が撤退したら、どうなる?

電気がすぐに止まるわけではありません。ただし、決められた期限までに、別の会社と契約し直す必要があります。

  • 撤退のお知らせが届いたら、期限を確かめる
  • 期限までに、別の会社へ申し込む
  • 申し込まないままだと、割高な料金で電気を受けることになる

乗り換えの手続きそのものは難しくありません。でも、安さで選んだ会社が、いちばん苦しいときにいなくなる⁠こともある、というのが2022年に分かったことです。

電気の会社は、安いときより、苦しいときに続けてくれるかで選ぶ。

4. わが家の選び方

前の住まいでは、楽天でんき⁠と楽天ガスを使っていましたが、2022年の値上げで変えました。いまの家に引っ越してからは、東京ガスの電気とガス⁠をまとめて契約しています。

東京ガスも、自由化のあとに電気を売り始めたので、分け方としては「新電力」⁠に入ります。ただ、料金は市場連動型ではなく、燃料費調整のしくみ⁠です(上限はないので、燃料が高くなれば上がります)。ガス事業の歴史が長く、自分で発電所も持つ大手です。わたしは、できて間もない会社より、昔からある大きなところ⁠のほうが安心だと考えています。

選ぶときに見ているのは、次の3つです。

  • 会社が大きく、長く続いているか:値段が急に変わったときにも、続けてくれそうか
  • まとめられるか:電気とガスを1つにすると、支払いも管理もかんたんになります
  • ポイントや割引の大きさは二の次:月に数百円の差なら、続くことのほうを優先します

固定費は大きいものから見直すのが基本です(⁠「固定費は「大きい順」⁠に見直す」⁠)。電気代は毎月かかりますが、乗り換えで下がる額は、スマホや保険ほど大きくないことが多いです(⁠「スマホの料金を夫婦で月2万円から約4,400円にした話」⁠)。

まとめ

  • 2022年、燃料高で新電力の撤退・倒産・契約停止が相次ぎ、2023年3月までに約4社に1社に
  • 値上がりの大きさは料金のしくみで変わる。いちばん上がったのは市場連動型
  • 撤退しても電気はすぐ止まらないが、期限までに別の会社と契約し直す必要がある
  • わが家は、2022年の値上げで楽天でんきをやめた。いまの家では東京ガス(電気とガスをまとめて)
  • 電気の会社は「安さ」⁠より「続くか」。昔からある大きな会社を選んでいる

この記事はわたしの考えと、2026年10月時点の情報です。電気やガスの料金は、使い方や地域、契約によってちがいます。

この記事を書いた人:管理人のこつこつ
都内に住む共働きの会社員。家族は妻と子ども1人、それに犬が1匹。家計と配当の記録を、自分で作ったアプリで計算しています。 くわしいプロフィール